連載 病とともに紡ぐ援助論・5
「ギャラリー」/「自己選択と自己決定」
ひらす けい
pp.714-717
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902665
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
家族と一緒の時間が,1か月ほど平凡に流れていった。その間,職場復帰の断念,病状進行の兆候出現などによる私の内的な苦悩が皆無であったわけではなく,そのことにより他者との関係を意図的に遮断したくなる気分にも支配されたが,自分を惨めに思いたくないという意地が,私を長期の抑うつ状態に陥ることから救っていた。次第に大きくなっていくかつての仲間や親しい人との心理的距離に,不可抗力的な心的法則を感じつつ,変わらずに巡る太陽と空気の動きをじっくりと味わい,当たり前のように・日一日が付け加えられつづけていることに感謝した。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.