特集 「グループづくり」から「地域づくり」へのプロセス
【実践例4:グループが体験する変遷】60歳からの地域デビュー—「楽熟会」の歩み
稲垣 あきら
1
1NPO法人生きがいの会
pp.680-685
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902659
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男の自立
「男よ,自立せよ」といわれる。どうも男の自立は大変に遅れているらしい。「ぬれ落ち葉」といわれるようになって久しいし,「粗大ゴミ」となり,もっと酷くは「生ゴミ」と呼ばれるようになる。「ゴミ」となれば捨てられる運命だ。定年退職まで,文字通り企業戦士として頑張ってきたのに,定年退職から2,3年たつと家の空気が少しずつ変化してくる。退職時は「長い間,本当にお勤めご苦労さまでした。当分ユックリしてください」といっていた奥さんも,「少しは外に出掛けたらどうなの」とくる。
ところが,何をするにも自分ひとりではできないで,奥さんとつきっきりでないと機嫌が悪く,奥さんの行くところには必ずついてくる。奥さんが買い物でも行くというと「ワシも行く」。そこから「ワシ族」という尊称が使われるようになる。こうなると男も大変だ。
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