特集 家族との出会い方
【事例にみる家族支援】児童虐待の連鎖を断ち切る戦略としての家族支援を考える
山本 春江
1
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
pp.300-308
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902600
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児童虐待事例報告数の増加にともない,各地の保健機関で児童虐待を早期に発見し対応するための対策が立てられようとしています。しかし,虐待の問題を抱える家族は,しばしば専門家の包囲網だけでなく,地域の包囲網さえもくぐり抜けていきます。まだ,虐待を早期に発見できる十分な体制が整ってきたとまではいえない状況でしょう。
また,被虐待者が虐待者になるという「虐待の世代間の伝播」については,すでに多くの指摘があります1〜3)。この悪循環を断ち切ることができなければ,虐待はまた虐待を生むことになります。ですから,危機的状況を脱したあとの家族のケアは欠かせません。しかし,この「危機的状況を脱したあとの家族のケア」は,これからの課題ではないでしょうか。
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