特集 家族との出会い方
保健師が持つべき「家族への介入技法」とは
錦織 正子
1
1茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
pp.294-299
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902599
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「他人に迷惑をかけてはいけない」「近所の人に道ばたで会ったら,ちゃんと挨拶しなさい」などと,人は物心がつく前から「しつけ」と称して,後のち社会に出て困らないように(多くは親心からであるが)教育されてきた。親に対する言葉づかい,兄弟姉妹の間の順位関係,祖父母への接し方などが,いつの日か,目上の人への言葉づかいや弱者への思いやりとして身につき,集団のなかでのルールや規範の理解へと反映していく。
いわば「家庭」は社会に出る前のウォーミングアップの場であり,「家族」は社会の複雑な人間関係の縮図といってよいだろう。そのような意味でも,家族は,人が社会生活を営むうえで最も基本的かつ最小の単位集団なのである。この集団のなかで,人は「生きる力」を養っていく。だからこそ,多少の山坂は「家族」自身の力で乗り越えていけるような健全性を,家族は持っていなければならない。
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