特別記事
アメリカ合衆国オレゴン州の地域保健・看護活動[1]—ロングタームケアの概要
佐々木 明子
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.373-377
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900691
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
わが国は,世界で最も長い平均寿命を享受していると同時に急速に高齢化も進行し,老年人口の割合も急増しつつある1)。これらの高齢化対策としては,ゴールドプランと呼ばれる高齢者医療福祉推進十か年戦略をはじめ,医療法,老人保健法,老人福祉法など関連八法の改正,老人保健法による第3次計画の施行など,さまざまな対策が打ち出された。さらに平成4年からは,「老人訪問看護ステーション」が開設されるなど2),地域での保健・看護活動への比重がより高まってきている。
アメリカ合衆国の地域での独立した看護活動の歴史は古く,1877年にニューヨーク市で宗教団体による訓練を受けた看護婦により訪問看護が開始され,1886年にはフィラデルフィアに訪問看護協会が誕生する3-8)など,すでに1世紀以上の歴史を持っている。また,訪問看護協会の活動開始後,十数年して,健康増進や予防活動を第一義とする公的な機関による活動が始まっている6)。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.