特集 エンパワメントに着目した活動を
エンパワメントの原点—コミュニティー・リーダーとしての保健婦に期待する
森田 ゆり
1
1エンパワメントセンター
pp.1128-1134
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902360
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ある保健婦の訪問
事例
3歳と1歳の乳幼児の母親であるAさんが虐待ホットラインに電話をしたのは,育児に疲れ社会から切り離された孤立感にさいなまれる中で,子どもに手を上げてしまう自分に怖くなったからだと言う。ホットラインの紹介で,AさんはB保健婦の家庭訪記を受けた。
Aさんは保健婦と聞いて夫の母親を思い起こした。Aさんの子育てになにかと細かく忠言し,「若いからわからないでしょうけど」とか「私が子どもを育てた時は」を繰り返す義母とは,顔も合わせたくないと思っていた。きっとこの保健婦も私のダメな子育てを指導しに来たんだろうけれど,指導を受けてもしかたがないと思っていた。
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