特集 コミュニティエンパワメント 地域住民が動き出す保健師の支援法
なぜ,いま,コミュニティエンパワメントなのか?
藤内 修二
1
1大分県福祉保健部健康対策課
pp.8-9
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100018
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平成の大合併がいま全国で進んでいる。1995(平成7)年4月に3234あった市町村数(東京都23区は除く)は,2006年4月には1821にまで減少することが予想されている(2005年9月5日現在)。市町村合併は保健活動にも大きな影響を及ぼす。筆者は先行して合併した市町村への訪問調査1),地域保健総合推進事業「市町村合併における保健活動の推進に関する検討会」などを通して,合併した市町村の課題について検討してきた2)。その詳細については,それぞれ文献を参照していただきたいが,筆者が最も重要視したのは,住民と行政の「関係性」の変化である。
多くの市町村合併において「サービスは厚く,負担は軽く」というスローガンが掲げられ,市町村合併に伴うメリットが強調されてきた。合併をスムーズに進めるためには,住民の理解を得ることが不可欠であり,仕方のない面もある。しかし,こうしたスローガンにより,住民は行政に対する期待をさらに大きくしてしまったのである。事実,市町村合併後の保健福祉サービスをより充実させた自治体も少なくなかったが,2年目には交付税の削減により大幅な縮小を強いられていた。
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