特集 思春期医療に向き合う~苦手意識からの脱却
総論
思春期の特性と必要な配慮 思春期の心の特性
作田 亮一
1
SAKUTA Ryoichi
1
1獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター
pp.1313-1317
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001824
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はじめに
思春期とは,「第二次性徴が現れ,生殖可能となる時期」(広辞苑,岩波書店)と説明される。このきわめてダイナミックな生物学的変化(メタモルフォーゼとも比喩されるほど)は,思春期を生きる子どもの人生において,もっとも眩しく輝き希望と期待に満ち溢れた瞬間をもたらす。一方で苦くて辛いできごとに立ち向かう試練を与えられる。生物学的変化は骨格や外見,生殖器のみならず,心の発達にかかわる脳機能の複雑な成長も含まれ,思春期特有の「心の特性」を形作る。
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