今月の主題 自己健康管理のための検査
話題
保健所におけるHIV抗体即日検査
一色 ミユキ
1
,
塚田 三夫
1
,
潮見 重毅
1
Miyuki ISSHIKI
1
,
Mitsuo TSUKADA
1
,
Shigeki SHIOMI
1
1栃木県県南健康福祉センター
キーワード:
偽陽性
,
相談
Keyword:
偽陽性
,
相談
pp.1549-1551
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100631
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1.はじめに
近年,全国のHIV感染者の報告数は増加しているが,保健所のHIV血中抗体検査(以下「HIV検査」)の受検者は,無料匿名検査であるにもかかわらず,減少してきている.一方,厚生労働省「HIV検査体制の構築に関する研究班」(以下「研究班」)と民間クリニックとの共同によるHIV即日検査(検査当日に検査結果を通知する試み,以下「即日検査」)の試験的な実施結果によると,多数の受検者がみられているとのことである.
これらのことから,HIV検査の受検数減少は,検査方法が,PA法+WB法(以下「従来法」)であって,採血から検査結果通知まで一週間程度を要していたことに一因があるのではないかと考えることができる.HIV感染の予防のためには,HIV検査に即日検査を導入することを検討すべき状況といえる.
栃木県の保健所においては,1992(平成4)年から週1回従来法によって実施し,2000(平成12)年からは同時に受けられる検査として梅毒とクラミジアの抗体検査を追加したが,受検数は減少傾向にあった.そこで,2003(平成15)年1月から,研究班との共同研究事業として,全国初の保健所における即日検査を県南保健所(県南健康福祉センター)において実施したので,従来法との相違などについて述べる.
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