連載 要介護認定の仕組みとその考え方・3
一次判定システムにおける「5本の介護の樹」とは何か
筒井 孝子
1,2
1国立公衆衛生院
2国立医療・病院管理研究所
pp.237-241
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902161
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はじめに
要介護認定における一次判定では,要介護認定など基準時間の長さによって要介護度が判定されている。例えば,コンピュータによって算出された要介護認定等基準時間が100分であれば,一次判定結果は要介護度4になる。これは,一次判定システムが高齢者の「介護に関わる手間」を予測するというシステムだからである。このように,判定は介護に関わる手間を「時間」という単位を用いて表現されることになる。ただし,ここでの時間の概念は,いわゆる日常的に用いられる時間の概念とは異なり,手間を表すいわば「記号」として用いているにすぎない。
したがって,Aさんという高齢者の要介護認定等基準時間が「60分」と判定された場合,実際Aさんに提供されている日常生活上の介護時間を測定して,それが60分になると考えるものではない。このことは,要介護認定における一次判定システムを理解する上で極めて重要で留意すべき点である。
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