特集 先輩からのメッセージ
後輩に伝え残したいこと
山口 洋子
1
1愛知県衛生部保健予防課
pp.203-205
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902154
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はじめに
平成6年6月に地域保健法が制定され,平成9年4月の同法の全面施行により保健所と市町村の機能が大きく変わり,そこで働く保健婦の役割分担が明確になりました。さらに平成12年4月から給付が開始される介護保険法により,市町村はまた大きな変革の時を迎えます。
その一方で,行政改革を推進するため,全国各地で保健と福祉の統合が進んでいます。愛知県でも平成12年4月から衛生部と民生部が統合され,新しく健康福祉部が誕生します。また,かつてない財政難のため人員削減や事業の縮小が続き,保健所も将来的な展望が見えにくくなっています。
このような大きなうねりのなか,私は今年3月に定年退職を迎えます。私の歩んで来た36年の間に市町村および保健所で働く保健婦を取り巻く環境は大きく変わりました。高齢化・少子化が進み,成人病対策が生活習慣病対策に変わりました。そしていま健康長寿を目指した『健康日本21』の取り組みが始まろうとしています。
一方で,私が保健婦として働いた36年の間には職場や地域でいろいろな人との出会いや別れがありました。その出会いの中から多くのことを学び,成長することができたと感謝しています。
ところで,長い保健所勤務のなかで,私を育ててくれたケースが数多くあります。そのなかで印象に残っているケースへの取り組みについて振り返り,後輩に伝えたい保健婦活動について考えてみたいと思います。
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