読者からの手紙
後輩に望むもの
北村 道子
1
1渋谷保健所
pp.9
発行日 1962年4月10日
Published Date 1962/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202539
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この4月を迎えると,就職してから丸3年になります.そしてまた3度目の後輩を職場にむかえる頃になる今日,自分の歩みをふとあらたまつてふりかえる時,その間のはちきれるような充実味がないだけに妙にまのびした3年であつたと悔まれます.私にとつては,1つのいわば竹の節であるべきはずのこの時期に感じることを2〜3,この4月から歩みはじめる後輩に語りかけたいと思いました.
▷先日のこと,大学の研究室,事業所,行政庁,公衆衛生の研究団体などから成り立つている,ある"健康管理"の集まりに出席したときのことでした.熱心な討論が部屋いつぱいにひろがつた,その会の最後の司会者のあいさつの中に,ふと私の心をつよくとらえたものがありました。"……なお本日の出席者の内訳は1/3が医者であり,1/3が保健婦で……",参加者をひとわたり眺め,おそらく保健所ばかりではなく,事業所,学校に席をおいておられると思われる,ほとんどが若い保健婦の方々をみているうちに,急に胸の中がほかほかと暖まるような"ほこり"と"ファイト"がでてきたのです."公衆衛生を推進していく実際の実践者として保健婦はこんなにのびてきているし,またそれだけに医者と同じように期待に応えていかなければならない仕事をもつているのです……"と.
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