特集 死後のケア—基本技術と家族への配慮
臨終後処置の基本技術—後輩に伝えたい
板垣 知佳子
1
1日本赤十字社医療センター
pp.122-127
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903663
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臨床では,これまでのケアのしめくくりとして死後の処置が行なわれ,生前のその人らしさを保つためのさまざまな配慮がなされている.
井上幸子ら1)が,「臨終の場に看護婦が立ち会うことの意味は,病むことの暮らしのなかで,一生懸命に生きて,生涯を終えようとしているひとへのねぎらいの心もちを示すことにある.と同時に,残された家族の悲しみをともに受けとめ,慰め励ますことが求められている.日々,病むひとの看護を行なった看護婦が臨終の場にいることは,深い悲しみのなかにある遺族にある種の安らぎを与えていることがしばしばある」と述べているように,看護者が臨終に立ち会うことの意味は大きい.家族の悲嘆に共感しつつ,死者への畏敬の念を忘れず,最後まで生前のその人らしさを失わずに永眠できるようにお手伝いすることは,臨床で働く看護者の務めである.
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