連載 いま知っておきたい環境問題・12
遺伝子組み換え食品の健康影響—最近の動向から
豊田 正武
1
1国立医薬品食品衛生研究所食品部
pp.150-155
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902144
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はじめに
遺伝子組み換え食品には,最近10年以内に商品化された遺伝子組み換え作物や微生物由来の食品および食品添加物がある。特に遺伝子組み換え作物の作付け面積の割合は米国において相当高くなり,1998年には全大豆の約27%,全トウモロコシの約23〜34%,全綿実の約39%が,カナダにおいても全菜種の約38%が遺伝子組み換え作物と推定されており,その一部はわが国へも輸出されている。昨年来,消費者らから,これら遺伝子組み換え食品と従来の食品とを自由に選択して購入したいという要求が強まり,農林水産省は2001年4月から遺伝子組み換え食品の表示を行うことを決定した。また遺伝子組み換え食品の安全性に対する消費者の不安感も増大している現状にある。そこで本稿では,誌面の都合上,遺伝子組み換え作物に絞って,その特徴,安全性評価の方法,話題となっている事項について私見をまじえて解説することとする。
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