連載 衛生行政キーワード・25
特定保健用食品(トクホ)制度と最近の動向
田中 央吾
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1厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室
pp.905-907
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100689
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「中性脂肪に告ぐ」という宣伝文句が目を引く.某企業のトクホ製品の見事な販売戦略に感心させられる.主力製品のブランド力を生かし,消費者の欲求,「脂肪の吸収を抑える」とうたい,高めの料金設定で自信の高さを示す.様々な情報ツールから製品の売れ行きは好調と伝え聞く.しかし何よりもトクホ製品であることを前面に出し,その信頼性をアピールしていることは,この製品の売り上げに大いに貢献しているものと思われる.
(財)日本健康・栄養食品協会によると,平成17年の特定保健用食品(トクホ)の市場規模は6,299億円と予測されている.平成18年8月末現在で,特定保健用食品として許可・承認を受けた件数は590件に上る.これらの数字に表されるように,消費者や企業のトクホへの関心の高さが窺える.
ただ,人が両手を上方に広げたマークは知られていても,特定保健用食品がどのような制度であるかはあまり知られていないと思われる.今回,特定保健用食品の制度,および最近の動向について紹介する.
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