特集 国民健康保険と公衆衞生
綜説
国民健康保険最近の動向
藤森 昭一
1
1厚生省保険局国民健康保険課
pp.458-463
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202008
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1.はじめに
国民健康保険制度は,昭和13年に創設されて以来,本年で20周年を迎えた。この制度は,1930年台の不況により経済的窮乏にあえぐ農山漁村等の住民に対し,その医療費の負担を軽減することによる生活の安定と医療の普及とをはかろうとする趣旨のもとに発足したものである。
この制度は,過去20年の間に,終戦及びこれに伴う混乱の時代を挾んで前後8次にわたる改正を経,逐次その給付内容を向上させ,その財政的基礎を強化する等社会保険制度としての実質を充実させ,普及の面においても,全国市町村の4分の3をカバーするにいたり,今や,単に発足当初の主たる対象であつた農山漁村の住民のみでなく,都市住民をも含めて広く被用者以外の一般国民の健康保険制度として重要な役割を果しつつある。
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