連載 要介護認定の仕組みとその考え方・1【新連載】
介護保険制度における保健婦の役割
筒井 孝子
1,2
1国立公衆衛生院
2国立医療・病院管理研究所
pp.58-63
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902129
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
保健婦の活動の範囲は広く,その対象としている人々も多様であるため仕事は多岐にわたり,保健婦の仕事を一言で説明するのは難しいと言われている。当院(国立公衆衛生院)では,多くの優秀な保健婦が研修を修了し現場に復帰するが,その多くは「やっている仕事は多岐にわたっているけれども,それが(本来の)保健婦の仕事かどうかはわからない」と話す。そして日々の仕事は,自らの職能に対する疑問を大きくするばかりであるという。とりわけ昨今の介護保険制度実施に向けてこの声は大きくなり,「私たちの仕事は介護保険とは関係ない」という声は少なくない。
本論は,介護保険制度が地域にもたらす変化とこの制度における保健婦の役割について私見を述べ,さらに介護保険制度を理解するために必要不可欠な事項である「要介護認定」の仕組みとその基本的な考え方について述べることを目的とする。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.