リポート「現場,最前線」
介護保険制度における言語聴覚士の役割
藤井 達也
1
,
恩庄 やよい
1
1メディケア・リハビリ
pp.155-157
発行日 2006年12月15日
Published Date 2006/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100093
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
介護保険制度は,平成12年に開始され,6年目となる.これは奇しくも言語聴覚士の国家資格制度化と時期が同じである.この6年で介護保険制度は,利用者が激増し,また事業所数も急増している.さらに全国の通所介護事業所数をみると平成13年には9,138か所であったが,平成17年には,17,651か所に増えている.また利用者数も事業所数の増加に伴い,69万人(平成13年)だった利用者数が112万人(平成17年)に増えている現状がある(表1,2).平成18年4月にはこのような状況を受け介護保険財源の適正な運用を目的に改定が行われた.
介護保険創設からこれまで,通所介護事業や通所リハビリテーション(以下リハビリと略す)事業における言語聴覚士の役割は機能訓練指導員に限定されていた.しかし,今回の改定では言語聴覚士にも大きな役割が与えられており,今後,言語聴覚士が働く現場においてもさまざまな対応が求められてくるものと予測されている.筆者らの施設が展開する介護保険事業において言語聴覚士に何が求められているのか.そしてどのような役割を果たすことができるのか,訪問看護事業と通所介護事業を通して考えてみたい.
Copyright © 2006, Japanese Association of Speech-Language-Hearing Therapists. All rights reserved.