調査報告
M県A高校の高校生の痩せ志向と食行動に関する実態調査
川邊 伊公子
1
,
明石 悦子
1
,
佐甲 隆
2
1三重県伊賀県民局保健福祉部(三重県上野保健所)
2三重県北勢県民局四日市保健福祉部(三重県四日市保健所)
pp.41-46
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902127
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要約
思春期においては,健康の保持・増進および健康的なライフスタイルの確立が重要であるが,近年,特に肥満でないにもかかわらず,多くの若者が痩せることを望み,無理な減量による健康障害や摂食障害等の問題が指摘されている。そこで,M県A高校の生徒を対象に,痩せ志向,自己の体型評価,ダイエット状況および食行動,自覚症状の実態を調査・検討した。
その結果,実際には肥満体型ではないが,自己の体型を過大に評価しているグループが女子に非常に高く,痩せ志向が顕著であった。自己の体型を過大に評価しているグループにおいては,ダイエット実施率は高いが,正当に評価しているグループでも女子においては,半数以上がダイエットを実施していることが確認された。不適切な減量方法を実施していたり,摂食障害が懸念される者も少数みられた。全般的に欠食や各栄養素の摂取バランスの乱れも明らかになった。
以上のことから,自己の体型を正しく評価できること,この時期に適した食生活が送れることなどに主眼をおいた指導の必要性が示唆された。今後はこれらの結果をもとに地域保健と学校保健の連携をさらに強化し,共に対応策を考えていくことが課題である。
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