特集 公衆衛生活動の過去・現在・未来
公衆衛生活動の専門家としての保健婦の未来
平野 かよ子
1
1国立公衆衛生院公衆衛看護学部
pp.901-906
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902067
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21世紀の公衆衛生活動のキーワード
21世紀は情報化社会となり,情報は電子機器とネットワークを介したものが主流となるのであろう。また,経済成長が望めないという理由から(あるいは経済発展を阻害しないために)競争原理や効率性に価値が置かれ,その前提として自助努力を前提とすることが社会通念となるであろう。そして一般に描かれている社会保障とは,この時代の流れから落ちこぼれた者のためにセーフティネットを張り,互助や公助で対応するのだろうか。
しかし,自助努力といっても,なにはさておき各自の自助努力が先で,これができない者や困難な状況に陥った者をセーフティネットにかけて救済措置を行うとするのか,あるいは,できるだけ多くの人々がセーフティネットにかからずに安心して生活できるように環境や条件を整備して,その上で自助努力することを前提とするのかによって,社会の仕組みは大きく変わるだろう。
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