高脂血症教室の教育効果に関する追跡評価研究—健康学習を取り入れたより効果的な教室をめざして

要約

　魚津市では，以前より知識の伝達を中心とした講義中心の教育から健康学習型の教育への転換を試みていた。平成4年度からの基本健康診査に高脂血症の項目が加わったことをきっかけに，今後の教室展開への基礎資料を得るために，高脂血症教室と再教育を通して，健康学習型の教育効果として，コレステロール値に関連する項目について追跡して評価した。その結果，対照群に比べて参加者の反応が大きく，行動変容と継続への動機づけに効果があり，また実施した従事者側の満足感も大きかった。これはこの方法が，従来の知識の部分ではなく，気持ちの部分に訴える内容であることでグループカウンセリング的な要素を持っているからではないかと考えられた。今後はこの研究で得られた資料をもとに，教育内容を改善していくことと，受講者のその後の経過を追跡評価していくことが課題である。