特集 保健婦にとっての研究
IV章 研究紹介
[本誌への投稿論文]
保健婦活動におけるグループ育成の意義に関する意識調査
守田 孝恵
1
1東京都立公衆衛生看護専門学校
pp.868-872
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901863
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要約
保健婦の行うグループ育成の課題を探るために,保健婦の意識調査を実施した。その結果,98.8%の保健婦がグループ育成の意義を認めていたが,やりがいを感じているのは50.1%,精神的な負拍を感じているのは50.3%であった。グループ育成の難しい点として,グループの自主性を尊重した援助の方法,評価方法,グループの種類による援助方法などがあげられ,育成の方法に難渋している実態があった。グループ育成の意義は,「共感,安心感」「交流」「相互支援」の場であると6割以上が確答していた。また,因子分析の結果,「自己洞察と自己変容」7項目,「社会参加」4項目,「共感,安心感」4項目,「相互支援」4項目の4因子で6割が説明できることを検証した。経験年数5年までの保健婦は,それ以上の経験群に比べ,確答率が有意に低い項目が多くみられた。グループ育成の方法と保健婦の力量形成のための教育方法の確立が今後の課題である。
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