特集 「成人病」から「生活習慣病」への転換をチャンスに
学童期からの生活習慣病予防
大西 智美
1
1大阪府八尾保健所
pp.723-726
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901837
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要約
学校保健統計をみると,大阪府における小学生の肥滿児は全国に比して多い傾向にある。そのため,平成5年度から小児期からの成人病予防対策事業として,保健所において学童を対象とした肥満予防教室を開催してきた。また,平成9年2月に策定された「成人病克服おおさか10か年プラン」の中では,府民が主体となって成人病予防をはじめ積極的な健康づくりをすすめることができるよう,生活習慣改善のための行動計画を作成し10年間で達成すべき肥満などの改善目標を示しており,特に,若い時期からの生活習慣改善のため,学校保健と連携した対策を進めていくこととしている。
学校における健康教育の目標は,子どもたちのライフスタイルを改善し,成人病のリスクファクターを低減するだけでなく,学校教育の主要目標である「生きる力」の形成をねらいとしている。そこで,疾病予防,健康増進といった公衆衛生上の観点と「生きる力」の形成という教育上の観点から,平成9年度から健全な生活習慣を形成できるよう新しい健康教育技術開発の取り組みを学校と連携して開始した。今後,行動変容のための健康教育プログラムの評価とあわせ,学校と保健所の役割を明確にしながら,地域ぐるみの生活習慣改善のための健康教育を推進していく必要かある。
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