特集 予防と理学療法
生活習慣病の予防と運動
鈴木 隆雄
1
Takao Suzuki
1
1国立長寿医療研究センター研究所
pp.281-287
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106245
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はじめに
生活習慣病の発症には,食習慣,運動習慣,休養,喫煙,飲酒などの生活習慣が大きな影響を及ぼすことは広く知られている.したがって,生活習慣病の予防対策としては,早期発見・早期治療という二次予防に重点を置いてきたかつての対策に加え,より重要な対策として健康増進・発症予防としての一次予防が重点課題として導入されている.
さらに,これまでの多くの臨床経験からも,高血圧,高脂血症あるいは糖尿病など高頻度に出現している生活習慣病に対して,薬物療法や食事療法と並んで,運動療法による治療効果が明らかとなっている.運動の有するこのような広汎な効用を背景として,国民全体に性・年齢ごとのライフステージを考慮に入れ,適正な運動のあり方と健康増進,疾病予防そして高齢期の自立と健康寿命の延伸の基盤づくりの視点から国民運動としての「運動」が重要な課題として取り組まれるようになった.
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