特集 「成人病」から「生活習慣病」への転換をチャンスに
生活習慣病対策の実践—福島県の成人病戦略から
小谷 尚克
1
1福島県会津保健所
pp.717-722
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901836
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要約
成人病から生活習慣病への名称変更は,これまでの疾病対策における2次予防重視から1次予防重視への関心とコストのシフトを含んでいる。また,このためにはWHOの提唱するヘルスプロモーションの概念導入も不可欠なものと思われる。
その実践のために保健行政専門職種においては,ヘルスプロモーションという単語を並べるだけでなく,その概念をいかに演出し,周囲へ波及させていくかが課題となっている。わかりやすい情報の提示や県内格差の提示,また参画の場を設定することなどもその取り組みの1つである。
福島県では,ヘルスプロモーションの概念を踏まえ,平成8年度に“成人病”対策10か年戦略指針を策定し,これまでの「自らの健康は自らで守る」だけでなく,社会・生活環境の整備をも視野に入れた“生活習慣病”対策を提唱し推進していこうとしているところである。この指針策定の経緯などを含め,最近の福島県における“生活習慣病”対策の取り組みについで報告する。
注:本文においては,“成人病”対策10か年戦略指針の策定前のできごと,指針内容については,“成人病”を,それ以後については“生活習慣病”を用いた。
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