特集 「成人病」から「生活習慣病」への転換をチャンスに
「生活習慣病」対策にプリシード/プロシードモデルをどう使うか
吉田 亨
1
1群馬大学医学部保健学科医療基礎学
pp.710-716
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901835
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要約
生活習慣は,個人の責任だけで形成されるものではなく,社会環境からも大きな影響を受けている。そのため,「生活習慣病」対策は,両者を統合して介入するヘルスプロモーションとして実施される必要がある。今回紹介するプリシード/プロシードモデルは,ヘルスプロモーションの企画・実施・評価のためのモデルであり,「生活習慣病」対策においてもその活用が期待されている。
プリシード/プロシードモデルは,①社会診断,②疫学診断,③行動・環境診断,④教育・組織診断,⑤運営・政策診断,⑥実施,⑦経過評価,⑧影響評価,⑨結果評価,の各段階からなっており,①〜⑤の段階を追って企画することで,有効な介入計画を簡単に作成できるようになっている。また,企画の時点で,⑧,⑨の評価が容易となるよう考慮されている点にも特色がある。
「生活習慣病」対策においては,①生活の質を最終目標とし,生活習慣・社会環境改善を統合するための理論枠組みとして,②問題点整理の枠組みとして,③評価の枠組みとして,このモデルを活用できるものと考えられる。
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