特集 成人病から生活習慣病へ
生活習慣病対策
中村 吉夫
1
1厚生省保健医療局生活習慣病対策室
pp.123-126
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901840
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生活習慣病という概念の導入
厚生省は,平成8年12月の公衆衛生審議会の意見具申を踏まえて,がん,脳卒中,心臓病,糖尿病などこれまで「成人病」と呼ばれてきた疾患を「生活習慣病(life-style related diseases)」と呼ぶことにした.平成9年7月には,地城保健を担当してきた健康政策局計画課,健康づくりを担当してきた健康増進栄養課,さらには成人病対策を担当してきた疾病対策課の一部をあわせて,保健医療局に地域保健・健康増進栄養課が設置され,課内室として生活習慣病対策室が設けられた.
よく知られているように,疾病は,①遺伝要因(遺伝子異常,加齢など),②外部環境要因(病原体,有害物質,事故,ストレッサーなど),③生活習慣要因(食生活・運動・喫煙・飲酒など)など様々な要因が複雑に関連して発症し,予後にも影響を及ぼす.これまで成人病と呼ばれてきた疾病の発症には生活習慣が深く関与していることが明らかになっている.ブレスローは,①適正な睡眠習慣,②喫煙しない,③適正体重を維持する,④過度の飲酒をしない,⑤定期的にかなり激しいスポーツをする,⑥朝食を毎日食べる,⑦間食をしないの7つを健康習慣としている.
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