特集 感染症対策のパラダイムシフト
HlV感染者・エイズ患者の療養支援—事例を通して
神楽岡 澄
1
1新宿保健所予防課
pp.1117-1123
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901699
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はじめに
近年のめざましいエイズ治療薬の開発により,エイズと闘いながら地域で療養生活を送ることが可能となった。現在は,まだまだエイズに対する偏見や差別が根強い社会環境であるが,他の疾病と同じように病名を明らかにして社会資源を活用し,抵抗なく地域で生活していくための環境づくりが急がれている。そのための普及・啓発活動は,保健所の大きな役割である。保健婦は従来より結核や難病,精神障害者など疾病や障害を持つ人の在宅療養支援を行っている。同様にHIV感染者・エイズ患者についてもサポートが可能である。そこで今回,保健所のHIV抗体検査で陽性と判明し,告知の段階から保健婦が関わった事例を通し,HIV感染者・エイズ患者を地域でサポートしていくうえでの現状の問題点や,今後の課題を述べる。
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