連載 H・I・V—AIDS看護はいま・5
HlV/AIDSとNGO・ボランティア
堀 成美
1,2
1都立駒込病院感染症外来
2HIV/AIDS看護研究会
pp.1060-1065
発行日 1997年11月1日
Published Date 1997/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905468
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はじめに
近年,医療・福祉の現場においてボランティアへの期待が高まっている.無償の実動力としてあてにされる面もあれば,緊急のテーマ,個別性の高い小さなニードへの速やかな対応が可能という他の組織にない柔軟さにも期待が寄せられている.多くのボランティア組織に共通の活動資金の調達・組織・人事など,運営に関する困難があっても,エイズに関係したボランティア団体は数多く存在する1).
ひとつの病気をめぐってなぜこんなにたくさんの団体が存在するのかという印象を持っている関係者も少なくないはずである.筆者の個人的な印象としては,ひとつは他の病気や人生の問題であれば相談するような関係の人にほど,この病気に関する相談がしにくいため,新しい人間関係・サポートという感染者・患者のニーズがあること.もうひとつはエイズというテーマを通して気づき・発展のチャンスを得た人たちが,自己実現的意味合いを求め,ボランティアとしてかかわりたいというニーズがあるように感じている.
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