昨日の患者
エイズ患者
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1156
発行日 2015年9月20日
Published Date 2015/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210882
- 販売していません
- 文献概要
1970年代後半から1980年代初頭にかけて,非加熱血液凝固因子製剤の使用により多くの血友病患者がエイズウイルス(HIV)に感染し,大きな社会的問題となった.そして当時はHIVの治療法は確立されていなかったため,不治の病として社会から恐れられた.
私が大学病院の外科医局に在籍していた1980年代初頭,内科学教室の20歳代後半の医師Aさんが後腹膜出血で入院した.血友病を有し,第Ⅷ因子が極端に低下していた.そこでアメリカの売血制度で集められた血液で製造した非加熱血液凝固因子製剤を大量に輸血した.出血は止まり,Aさんは退院した.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.