特集 ケアマネジメント
II章 ケアマネジメントの背景
老化—最近の生理的・文化的な理解
柴田 博
1
1東京都老人総合研究所
pp.985-990
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901673
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老化の概念の変遷
退行としての老化
明確な時期を画することはできないが,20年くらい前までの老化のイメージは退行ということであった。「ヒトは,成長・発達の段階を経て,成熟・安定の段階に達する。その後,退行・老化の過程をたどっていく」とするものである。
生まれてから,死にいたる過程を加齢変化(aging)と呼び,安定期以後の変化を老化(senescence)と呼んで両者を区別する場合がある。いずれにせよ老化と呼ぶときは,あまり良い意味には使わない。Strehler(1962)は,老化の定義に普遍性,固有性,進行性と共に有害性をあげている1)。
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