特集 揺れ動く社会規範と保健活動
社会的条件の中で対象をとらえる能力—保健婦教育の現場から
守田 孝恵
1
1東京都立公衆衛生看護専門学校保健学科
pp.694-697
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901625
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保健婦(士)教育で習得すべき4つの能力
平成8年3月28日に「看護職員の養成に関するカリキュラム等改善検討会」の中間報告書が提出された。看護婦等のカリキュラムの改善と看護婦等養成所の教員,施設・設備の基準の改善にっいて幅広く検討された結果,保健婦,助産婦,看護婦3年課程および統合カリキュラムならびに指定基準が示されている。保健婦課程におけるカリキュラム改正の特徴は,保健婦教育の基本的方向を,養成すべき4つの能力として具体的に提示していることである1)。
この4つの能力とは,
①人々の健康ならびに疾病・障害の予防,発生,回復および回復の過程を社会的条件の中でとらえ,援助する能力
②地域住民が自らの健康状態を認識し,健康学習や自助グループ活動を実施し,社会資源を活用できるよう支援する能力
③地域の健康問題を把握し,組織的に解決する能力
④保健・医療・福祉行政の基礎的知識を持ち,社会資源の開発や保健・医療・福祉サービスを評価し調整する能力
である。
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