特集 保健婦活動研究論文集
看護研究の動向と研究への誘い—量的研究から質的研究の流行,そして両者の統合へ
金川 克子
1
1東京大学医学部地域看護学
pp.174-176
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901529
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地域看護の実践的課題と研究の方向
最近の看護界は非常に活発である。例えば,看護系大学の増加,看護に関する学会や研究会の設立,訪問看護ステーションの設立や在宅での看護の提供の進展,専門看護師や認定看護師制度の誕生の動きなどがみられ,看護学の確立,看護の自律化・自営化に拍車がかかっているように思える。また,保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則の一部が改正され,看護学校養成所では在宅看護論や精神看護学が独立し,保健婦学校養成所では地域看護学が大きく位置づいている。
このような動きと呼応して看護の概念や役割・機能を巡っての論述も盛んとなり,看護学に関する出版物や学術雑誌の増加も見られる。そこで,看護界のこうした最近の動きの中で,看護学の理論や実践の基盤になるような看護研究が必要であり,その質の向上が求められている。
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