連載 人とであって花一匁・2
その人と出会った時に(その2)
宮崎 博子
1
1山口県防府環境保健所
pp.156-160
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901525
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縁側から見ると
お盆前の暑い日の午後でした。阿東町に隣接する阿武郡むつみ村の石田さんの家に家庭訪問です。昨日の母親からの電話では,精神に障害のある次男の光雄さんが,いつも朝遅くまで眠っている。その上,一日中何も手伝わないし,風呂にも入らず長男夫婦は嫌がっている。孫たちも「おじちゃんは臭い」と言って寄り付かない。お父さんは何も言わず,「大きな図体をしてから…」と時々愚痴を言うだけ。でも,本人の表情は暗く,夜は眠れないようだし,食べ物もあまり食べず痩せてきた。薬は飲んでいますが,どうしたらいいんでしょうかとも…。
訪れると,母親が玄関に出迎えて下さいました。まず,お母さんと話し合いました。
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