特集 保健所の機能強化を考える
保健所機能強化論
広域調整
[事例]保健・医療・福祉の有機的連携事業
椎葉 茂樹
1
1青森県むつ保健所
pp.1063-1068
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901283
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はじめに
青森県では,むつ保健所をモデルとして,平成6年度より3か年事業として保健・医療・福祉の有機的連携事業(以下,事業)を,厚生省健康政策局長通知「地域保健活動の充実強化について(平成2年6月28日健政発,第390号)」に基づく地域保健推進特別事業において実施しているが,本稿において保健所機能強化のキーワードの1つである「広域調整」の事例として紹介する。
この長いむしろ無機的な響きのある名称の事業を一言でいえば,「二次医療圏および老人保健福祉圏における保健と医療と福祉の連携を図るためのモデル的なマニュアルを,3年の月日と約1000万円の予算を使って,むつ保健所管内の各々の代表者より作成する事業」である。昭和21年発足の当保健所においては50年の歴史始まって以来の大規模なプロジェクトであり,保健所の有する広域調整機能を発揮できる最たるものではないかと思われるが,以下,この事業を計画させた地域の要因や事業のねらいおよび,事業を保健所で計画・実施したプロセス,現時点での考察と今後の課題,事業の中での保健婦の果たす役割などについて触れてみたい。
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