特集 思春期の健康—現代の抱える心の問題
教育・保健・医療・福祉の連携
津田 芳見
1
1徳島県小松島保健所
pp.465-469
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901789
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要約
子どもの心とからだの健康づくりについては,保健・医療・福祉と教育が連携し,地域全体で行われて初めて効果的である。
小松島保健所では,管内の広域的な保健に関するニードとして子どもの健康問題を取り上げ,学校保健関係者らと実務者間の研究会を持ち,情報を収集分析し,問題解決のために調査研究し,具体的な事業を企画調整した。その実績(データ)を根拠にして,さらに行政組織へのネットワークの拡充を図り,管内1市2町の首長を委員とする「子どもの健康づくり推進協議会」を発足させることができた。このことにより,子どもの健康づくりのために,関係機関が行政領域を越えて相互協力する体制が確立され,1市2町で応分に関連事業を予算化することができ,保健所の母子保健,思春期保健事業などもこのシステムの中に乗せていくことができた。また,より専門性の高い中核病院,教育大,医療短大などと連携することにより,ジュニア・フィットネス(小児成人病予防教室),こども健康手帳,不登校児の適応指導教室の広域的運用などを行ったが,保健・医療・福祉と教育の相互協力体制があるため,飛躍的に進めることができた。
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