講座
医療社会事業と保健婦事業
吉田 ますみ
1
,
前田 アヤ
2
1聖ルカ病院医療社会事業係
2聖ルカ女子短大
pp.66-69
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201085
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その(1)
医療社会事業と保健婦事業との歴史的歩みについて省みると,医療社会事業は,保健婦事業に比べでまだまだ歴史は浅く,ほんとうに,終戦直後始められたばかりで,およそ,よちよち歩きの域を脱していない.それに比べると保健婦事業の方は,すでに二十数年の年月を経ているのでその進歩の段階には大きな差がある.而かも保健婦事業の方は現在は尚一段と飛躍の段階に到達したのではないだろうか.勿論現在の段階に到達するまでは,今日の医療社会事業の様な無我夢中で活動した時代もあつたことと思うが,今では保健婦事業の意義もはつきりされて,各々がその業績を反省し一層完全なる活動への発展の途上にあることは喜ばしいことである.又賢明なる多くの保健婦諸姉は,どうしたら現代の社会に自分達の活動が適応するかを研究されている.その一つとしてチーム,アプローチという点など理解され,ここに医療社会事業陣との協力の必要性を認められて保健婦事業の完全を計ることに努力しているのが顕著である.
一方医療社会事業の方は,終戦後始められたものと云えども,社会の必要性に応ずるために懸命なる努力がはらわれていることは事実である.未だ微力とはいえ医療社会事業の働きを上手に活用された他の部門の人々には,その需要価値を認めて頂けるものと思う.
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