特集 何のための健康教育なのか
疾病予防の「健康教育」やめませんか
鳥海 房枝
1
1北区衛生部
pp.956-960
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901264
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はじめに
わが国の公衆衛生とそこでの保健婦の仕事を振り返ると,結核を中心とした感染症の発症予防と健診による早期発見治療の歴史がある。
今日,保健婦の援助対象はかつての結核に替わり,高齢者や成人病疾患,精神障害者,難病などの人々が多く占めるようになった。このなかの高齢者と成人病疾患への対策として打ち出されたのが,老人保健法のヘルス事業である。なかでも健診事業は,受診率の達成やその後の健康教育などのフォロー体制を作るために,市町村保健婦はここに膨大な時間をとらざるをえなくなっている。これは健診を健診のみで終わらせるのではなく,そこに健康教育が伴わなければ意味が半減するといわれているためでもある。
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