特集 何のための健康教育なのか
健康学習から住民参加による地域づくりへ
吉岡 京子
1
,
馬場 優子
1
1東京都足立保健所
pp.945-950
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901262
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はじめに
地域保健活動に住民参加の重要性がいわれて久しく,各地でさまざまな活動が展開されている。これまで,足立区においても子育て中の母子グループや,障害を持つ人々の自主グループ活動や健康まつりなどで住民参加を推進してきた。今回紹介する足立区の南花畑地域での取り組みは,健康学習から地域づくりへ住民参加が発展し,住民が主体的にさまざまな活動を展開するようになった例である。
それは住民が生活する地域を基盤とした活動だったので,地域の問題や課題を強く意識する取り組みとなった。保健所での自主グループ活動が,個人と家族および比較的広域な地域となるのに比べて,ここでは毎日の生活そのものが健康や地域づくりに直結するものだった。このことは地域に住み続ける限り続く息の長い取り組みである。また健康学習が継続するに連れ,人と人のつながりも広がり,地域づくりが一層進むようにもなった。
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