特集 保健所と市町村の新たな関係—今まで,今,そしてこれから
保健所と市町村の新たな関係
久道 茂
1
1東北大学医学部公衆衛生学
pp.1084-1087
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901059
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はじめに
古くて新しい課題だった「保健所問題」にやっと進むべき方向が決まった。平成6年6月22日に成立した「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律(以下,地域保健法)」がそれである。筆者はこの法律の成立まで,厚生省公衆衛生審議会総合部会委員として関わり,また現在も基本指針検討小委員会委員として参加しているので,これまでの経緯も含めて今回の特集テーマである「保健所と市町村の新たな関係」について私見を述べてみることにする。
平成5年1月19日,総合部会に「地域保健基本問題研究会」が設置されて以来,この研究会が約半年の間に12回にわたって会議を開催し精力的に検討し,それを受けて,7月9日に同部会の「地域保健対策の基本的なあり方について」と題する意見具申が厚生大臣に提出された。その後,種々関係機関との調整などを経て法案要綱を作成,平成6年2月から3月にかけて公衆衛生審議会への諮問と同会からの答申,同じく社会保障制度審議会への諮問と答申が行われ,6月22日に国会で成立となった。これまでの保健所を中心としたわが国の地域保健体制の基本的な仕組みの改革が始まった,といっていいだろう。
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