特集 保健所の組織改革と機能強化
保健所と市町村との連携および支援
阿彦 忠之
1
1山形県山形保健所
pp.554-556
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901531
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地域保健法は,特定の病気や集団だけを対象とするのではなく,乳幼児から老人までの地域住民すべての健康を保持増進させることを目的としている.したがって,これを達成するための公衆衛生活動が,基礎的自治体たる市町村を単位として推進されることになったのは,ごく自然である.このような市町村重視の流れの中で,都道府県設置型の保健所は,市町村との新たな関係を真剣に模索し始めている.われわれが「保健所の機能強化」を声高に叫ぶと,保健所を存続・強化させること自体が目的のように受け取られやすい.しかし,本来は地域住民や市町村の活動を強化するための支援を通じて,ともに機能を高めるという視点で保健所の改革案を提案すべきと考えている.本稿では,筆者が昨年度まで勤務した酒田保健所での経験を中心に,県の保健所と市町村との連携および市町村支援のあり方について述べてみたい.
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