連載 保健婦日記・2
ネパール日誌[2]—ナガルコット村の保健活動
芝山 江美子
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1Nepal Primary Health Care (PHC) Project
pp.416-417
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900934
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10月に入りバクタプールの北西部に位置するボデイ・ヘルスポストへ見学に行く。ヘルスポストに入ると職員は始業時間を過ぎているのに誰も来ていない(朝10時30分始業)。中世紀頃の建物で,中を見まわすと今にも崩れそうである。この街のはずれに新しくヘルスポストを造る予定なので,そこを見学する。
建設予定地に行くと裏側にどぶ池がある。現在どの程度使用しているかわからないが,生活に必要な水であるに違いない。周りを散策すると,寺院を取り巻く広場を中心に,何百年も経っているであろう3〜4階建の煉瓦づくりの家が狭い道を隔てて並ぶ。道路に人々がしゃがみこみ,犬が寝そべり,牛が歩き回り,アヒルがヨチヨチ歩き,とうに動けなくなった鳥が足をバタバタしている。道路脇の側溝には,悪臭を放った泥水が流れている。道路上には家畜の便があちこちに散らばり,かたわらを見ると子供が用をたしている。
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