連載 保健婦日記・4
在宅ホスピスをめざして(4)—信仰ある人生
馬庭 恭子
1
1広島総合病院
pp.78-79
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900864
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「こんにちは」一階から声をかけて、訪問カバンを肩にかけ二階へ上る。「こんにちは」と笑顔で振り向く。岩村さんは肺がんの末期で、三十七歳である。脳転移もあるから、放射線治療で頭はモヒカン刈りだ。でも鼻は高くユル・ブリンナーのようだ。奥さんも笑顔が素適で、「まー、いいかな」と屈託がない性格だ。
「今日は少し食べられたんですよ」と奥さんが九州なまりで言う。
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