発言席
HIV看護ネットワークから保健婦さんへ
折津 礼子
1
1横浜市立大学医学部附属病院感染症病棟
pp.1073
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900836
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1981年に初めて報告され,1982年にエイズと命名され,1983年にウイルスが発見されたこの疾患は,未だ根治的療法が確立されず,また慢性感染症であり今後も患者・感染者の増加は著しいと予想されている。平成5年8月までの感染者累計は,血液製剤による感染者を除いて1301人(男性693人,女性608人)であり,新たに確認される患者は,感染経路別では異性間の性的接触が多く,これは顕在化されていない患者・感染者の存在や患者数の増加を予想させる因子でもある。
しかし,受け入れに関しては,医療関係者や地域間でも格差があり,一方では,受け入れ体制,教育,感染者・患者への対応など,実際に患者・感染者を知らない状況での討論のレベルであり,他方では,既に病院や生活レベルへのボランティアの介入やメディカルソーシャルワーカー,カウンセラー,ソーシャルワーカーの地位確立・参入,そしてターミナルケアについてまで,その論議が進んでいる現状がある。
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