特集 公衆衛生はどう変わるか—保健所法改定を機に
[保健所法改定とこれからの地域保健—サービスの送り手として]
保健所保健婦の立場から
大友 由紀子
1
1北海道遠軽保健所
pp.910-911
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900790
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基幹保健所構想をはじめ,保健所の見直しが叫ばれてから随分時が過ぎた。地域保健基本問題研究会の答申を読むと市町村の役割重視,保健所機能の質的強化と一見,問題はなさそうだが,最近,町村保健婦は寝たきり者への訪問,ヘルパーとの同伴入浴介助などに追われ,ゆとりがない。市町村老人保健福祉計画の策定・実施などゴールドプランとの関連で,特に小規模町村では,在宅高齢者ケアの担い手としての保健婦への役割期待ばかりがますます大きくなっているように思う。
現在以上に市町村に対人保健サービスがおろされ,保健所には精神・エイズなど広域的な対応とプライバシーに問題のある疾病管理に重点が置かれていくようになることは必須のようである。そのことを中心に保健所の保健婦としてこれからの地域保健を考えてみたいと思う。
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