特集 これからの保健婦教育—現場での戸惑いを中心に
現任教育と基礎教育に望むこと—中堅保健婦の地区把握と組織化の実態から
金子 仁子
1
1国立公衆衛生院公衆衛生看護学部
pp.702-707
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900747
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はじめに
保健婦の多くは,看護婦教育3年を終え,保健婦教育1年間を受けて職業人になる。しかし,専門職としての教育は,基礎教育だけで本当に十分な教育といえるのだろうか。最近,保健・福祉・医療との連携した活動を求められ,予防を主としてきた保健婦の仕事が問われているという。保健と医療と福祉との連携をするのなら,3次予防については福祉と医療が力を最大限発揮すれば,かなりのことは実行可能なので,保健は必要最小限のことを行って,主に1次予防に力をいれるべきと私は思っている。
しかし,本院の1年コースの学生(経験年数3年以上)に接していると,「保健婦とは?」をつかみきれず,戸惑っている姿に遭遇する。したがって,1次予防から3次予防まで行う保健婦の機能が,活動の中で十分に発揮されていない実情があるのではないかと感じている。そこで,保健婦の現任教育と基礎教育のあり方について考える前に,「保健婦の機能」について少し述べ,その理想が実現できるためにどのような教育がなされればよいかについて考えたい。
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