特集 最近の保健婦活動研究論文集
未熟児をもつ母親からみたフォロー体制の現状—郵送による追跡調査の自由記述回答の分析
松尾 久枝
1
,
石川 道子
1
,
二村 眞秀
2
,
渡辺 勧持
1
,
内藤 敬子
2
,
清水 桂子
3
1愛知県心身障害者コロニー・発達障害研究所
2愛知県心身障害者コロニー・中央病院
3愛知県春日井保健所
pp.697-702
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900558
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問題と目的
未熟児(本稿での未熟児とは,出生体重2500g未満の児である)の出生率が今後増加する予測1)の中で,長期追跡研究の必要性が指摘されている2)。これと同時に未熟児のフォロー体制の点検も必要であろう。未熟児のフォローの上では母親へのサポートも重要である。未熟児の出生を正常な新生児とは異なる新生児期の問題や事態が母親へ及ぼす心理的影響に焦点を当てて検討し,それらをフォロー体制へ生かすことが必要であろう。その際,未熟児に特有な問題の1つとして,catch upに代表されるように予後が年齢と共に変化することがあげられる。
したがって,予後の違いや経年的変化によって母子をフォローする場合の問題点が異なると予想される。この点を整理するための前提作業として,未熟児医療に対する母親の意識を把握する必要がある。
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