特集 最近の保健婦活動研究論文集
高脂血症者の喫煙・飲酒習慣の特徴
石井 英子
1
,
牧野 孝司
1
,
市川 啓一
1
,
八木 俊光
1
,
太田 之夫
1
,
中島 芳子
1
,
原田 憲子
1
,
鈴木 貞夫
2
,
佐々木 隆一郎
3
1名古屋市教育委員会
2名古屋大学医学部予防医学
3愛知医科大学公衆衛生学
pp.693-696
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900557
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はじめに
日本人の食生活の西欧化に伴い,日本人の疾病構造は急激に変化を示している1)。総カロリー摂取量,脂肪摂取量の増加に伴う肥満ならびに血中脂質の増加に関連する疾患の増加は顕著である2)。特に動脈硬化に伴う虚血性心疾患は,今後も増加の可能性が危惧されており3),公衆衛生上効率的な予防対策を行うことが急務とされている。
動脈硬化の重要な危険要因の1つとされている高脂血症は,明確な自覚症状に乏しいことから,病院や健康診断で偶然に診断される場合が大部分で,高脂血症の成因とその予防対策について疫学的に十分に検討がなされているとはいえない。また,1989年に施行された労働安全衛生法の改正により4),ほとんどの企業体で高脂血症のスクリーニングが行われるようになり,高脂血症を診断する機会が大幅に拡大した。これは同時に,高脂血症に対する保健指導の機会が増大することを示唆している。
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