Modern Therapy 合併症の母体と新生児リスク
飲酒・喫煙と新生児リスク
安部 徹良
1
Tetsuroh Abe
1
1東北大学医学部産科婦人科学教室
pp.195-200
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206403
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近年,欧米において,妊婦の喫煙あるいは飲酒が胎児・新生児に与える種々の影響が報告されている。わが国においても喫煙あるいは飲酒する女性ないし男性が増加しており,これらの嗜好品の摂取が胎児・新生児に及ぼす影響は重大な問題である。
さて,表題の新生児riskであるが,一般に,riskとは生体が何らかの原因によって死亡したり,何らかの疾患に罹患して健康が障害されたりする場合にみられる生命の秩序の不安定な状態への移行が起こる確率を意味すると考えられる1)。したがって,ここでは,このような確率の大きい,いわゆるhigh risk infantのrisk factorとしての喫煙および飲酒の意義について考察を加えることにする。なお,high risk infantの具体的な種類としては,表12)に示したものがあげられているので,これらの個々のhigh risk infantと喫煙あるいは飲酒との関係について述べる。
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