研究
秋田農村における脳卒中発症者の予後に関する研究
小野 洋子
1,2
,
児島 三郎
3
,
岸 マサ
4
,
山崎 タヱ子
4
,
吉田 タカヲ
5
,
若松 若子
6
,
大村 外志隆
7
1秋田県衛生科学研究所
2現秋田県高清水学園
3秋田県予防衛生協会
4秋田県井川町役場
5秋田県湯沢保健所
6秋田保健所五城目支所
7秋田大学医学部公衆衛生学教室
pp.556-561
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900526
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はじめに
我が国は,世界有数の長寿国の1つとなったが1),ここ数年来,高齢化の進展に伴う様々な問題が指摘されてきている。その中の1つである「寝たきり老人」についても,その原因疾患である脳卒中は,悪性新生物,心疾患につぎ,死因の第3位2)を占め,脳卒中死亡は確実に減少してきている。
しかし,本県においては,いまだ65歳以上の死因の第1位3)を占めており,高齢者における脳卒中発症の問題が残されている。また,発症者の高齢化とあわせ,救命されても長期間脳卒中後遺症のために,障害を抱えながら日常生活を維持させていくことは,身体的,精神的にも苦痛なことであり,依然として重要な疾患の1つであることに変わりはない。そこで本研究では,寝たきり老人の原因疾患である脳卒中について,脳卒中発症者の5年間にわたる追跡調査をもとに,脳卒中発症者の生命予後と生存者における日常生活動作(ADL)の経過を観察し,要介助者の実態とその問題点について検討したので報告する。
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